オンラインブック かしこい子どもに育てるための15章
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第1部 幼児の可能性

(2)なぜ幼児期が大切なのでしょう

 どんな親でも、自分の子どもが暴力をふるったり、ノイローゼになったり、無気力であってはこまると考えています。〈知的な好奇心や可能性を十分のばし、学校の勉強をラクラクとこなし、強じんな思考力、創造力、豊かな情操と知識を身につけてほしい〉というのが、子をもつ親の共通の願いであるといってもよいかもしれません。そうなるためには、生まれてからすぐの、お母さんを中心にした家庭環境の充実が大切なポイントになります。

「三つ児の魂百までも」(3歳児の性質は、死ぬまで変わらない)と、ことわざにもあるくらい、幼児期の重要性はむかしから認められてきたといってもよいでしょう。しかしそれは、特別に鋭い観察力をもった人の知恵ともいうべきもので、ふつうの人が正しく認識しているとは思われません。むしろ、〈教育なんかは、学校にはいってからで十分だ。幼児のうちは、元気に遊ばせておけばそれでよい〉と考えている人が、まだまだたくさんいます。

 じっさい、おとなが自分の幼児の時代を思いおこしてみても、はっきり記憶しているのは、せいぜい学校へあがるすこし前くらいのものです。だれにもそんな先入観がありますから、幼児期は大切だと人に聞いたり、新聞や雑誌で読んだりしても、幼児期の大切さをホンキに考えようとしないのも無理のないことでしょう。

 ところが最近になって、大脳生理学とか教育心理学、言語学、遺伝学といったいわゆる人間についての研究がすすみ、深められてくるにしたがって、「三つ児の魂百まで」が、科学的な立場から実証されてきました。


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