
この巻では、中国のおもな都市と地方の特色を紹介しましょう。中国の首都北京は、中国の政治、経済、教育、芸術などの中心地です。広い道路にはポプラ、ヤナギ、アカシア、ネムなどの街路樹が植えられ、森の都にふさわしいたたずまいをみせています。
北京の朝夕は、自転車に乗った人であふれます。はば80メートルの長安街の大通りは、まるで自転車の川のようです。赤いボディに白い屋根のトロリーバスも、えんりょがちに走っています。
北京をはじめ大都市には1990年代から自動車が急速に普及してきましたが、その後騒音や大気汚染をもたらさず健康維持にもよい自転車が改めて見直されてきています。

北京でいちばんにぎやかな通りが王府井です。南北1キロメートルの通りに、むかしは、たったひとつの井戸しかなかったところから、この名前がついたといいます。新しくできたデパートや北京のしにせが軒をつらねています。
人民日報社や中国人民銀行、北京飯店があるのも、この王府井です。北京飯店は北京最大のホテルで、1階の大ホールは新しい中国の歴史の舞台として脚光をあびてきました。

北京駅からソビエトの首都モスクワ、モンゴルの首都ウランバートル、北朝鮮の首都平壌ゆきの国際列車が発着します。国内線長きょり列車も網の目のように走り、どんどん遠くまでのびています。
1991年ソ連崩壊後、モスクワはロシア共和国の首都です。
古い中国の象徴のひとつに、天壇があります。歴代の皇帝が、天に豊作を祈ったところです。大理石を3層に重ねたうえに、ルリがわらの美しい3層の祭壇がそびえています。くぎをつかわず、24本の柱で組み立てられた、めずらしい建物です。

東西南北に、整然と大通りが走る北京の中心部に、故宮があります。60をこえる楼閣のいらかが波うつながめは壮観です。この大建築群は明・清朝2代の皇宮だったところです。
紫禁城は民衆の汗と血がそそがれた大宮殿ですが、いまは故宮博物館になっています。24人の皇帝とその一族が、550年にわたって、栄華をきわめた当時そのままにみることができます。