
インドは、古くから文明の花をさかせてきました。そのかおりをただよわせ、時代の先がけとなりながら、近年には、おくれをとっています。そしていまは、新しくなったインド。ひとりだちするそのすがたが、アジアの命を指し示しているようです。
インドは、およそ日本の9倍にあたる広い国です。そこに6億8千万人が住んでいます。むかしからインドには、いろいろな人種、民族が集まり、まざりあってきました。そのため膚の色もさまざまです。国語はヒンズー語ですが、だれもが話せるわけではありません。
2005年現在、インドの人口は11億0340万人です。

この国が開きはじめたのは、いまから3500年も前のことです。中央アジアを遊牧していたアーリア人(ヨーロッパ人と同じ人種)がやってきて、もとから住んでいた民族を征服しました。そして畑をたがやし、都市をたて、住みついていったといいます。
暑い太陽とモンスーン(季節風)の雨、はげしい自然のなかに神をみいだした人びとのあいだからは、いつとなくヒンズー教が生まれました。そして年月がヒンズー文化を育てていきました。

日本になじみの深い仏教は、インドがふるさとです。ヒンズー教がまだバラモン教とよばれたころ、バラモン(僧)たちが人びとの上にたち宗教をわがものにしていました。釈迦は、人間は平等であると考え、バラモン教の改革をとなえました。
釈迦は、紀元前500〜400年ごろに生まれた人で、苦行のすえ悟りをひらき、仏教をおこしました。万人に通じる精神をそなえた仏教は、のちに広くアジアの国ぐにに、伝わっていきます。しかし、インドでは、力をもりかえしたバラモン教に、ほろぼされました。

仏教と同じころ、ジャイナ教が開かれています。考えかたは仏教と似ていますが、生きものを殺すことをきょくたんにいましめ、植物にまで生命をみとめています。そのためか、寺院のまわりの緑は、目にしみるほどあざやかです。いまでも信者は200万人もいます。
19世紀になって、忘れられていた仏教の遺跡が発見されました。アジャンタの石窟寺院です。岩山を掘りぬいた石の殿堂で、ひんやりとした内部は、仏像や壁いっぱいのみごとな壁画でかざられています。紀元前2世紀から、紀元後7世紀にかけてつくられたものです。