
ソビエトは、60をこえる民族からなる国で、2億7000万人の人びとが住んでいます。そして、おもな民族を主体にした15の共和国が、ソビエト社会主義共和国連邦をかたちづくっています。また、それぞれの共和国内には、民族ごとに自治共和国、自治州などがおかれています。民族平等の立場にたって作られた組織なのです。この巻では、ヨーロッパ・ロシア、中央アジア、シベリアの順にソビエト各地方の特色を紹介してみることにしましょう。
1991年にソビエトは崩壊しました。崩壊に至るまでのいきさつ、その後の歩みにつきましては、巻末をご参照ください。(以下「ソビエト」の記述省略)

ヨーロッパ・ロシアの面積は、ソビエト全土の約1/4にすぎませんが、人口は3/4近くを占めています。中央部は首都モスクワをはじめ、ゴーリキー、ヤロスラブリなどソビエトの政治、経済、文化の中心です。
モスクワの近郊には、古い歴史をもつウラジミルとスズダリがあります。町全体がロシア文化の博物館とさえいわれ、さまざまな年代の寺院がたくさん残っています。クギを1本も使わず、オノだけで作られためずらしい教会もあります。

ヨーロッパ・ロシアの北部は、大部分がツンドラとタイガのため、開発がおくれています。それに対し北西部には、ソビエト第2の都市レニングラードがあります。ネバ川が町の中央をゆったり流れる水の都です。
レニングラードは1991年、住民投票により「サンクトペテルブルク」に改称しました。
(以下省略)
レニングラードは、革命までの200年間はペテルブルグとよばれ、ロシアの首都でした。そのため、古い都のおもかげが、町のいたるところに残されています。第2次世界大戦中は、900日近くもドイツの攻げきに耐えぬいた、ソビエトが誇りとする英雄都市です。