
この巻では、アメリカの代表的な都市や、地方の特色を中心に紹介しましょう。
東海岸にあるボストンは、独立戦争や南北戦争のきっかけをつくった、歴史のある町です。イギリスをおもわせるしっとりとおちついた町には、いまも伝統ある古い建物が、たくさん残っています。

オールド・ノース教会もそのひとつです。ボストン最古の教会で、白いとがった塔が、青空をつきさすようにそびえています。独立戦争のとき、この教会の鐘を合図に、進撃が開始されました。教会の前には独立戦争の英雄ポール・リバーの騎馬像がたっています。
ボストンの町をゆるやかに流れるチャールズ川のむこう岸はケンブリッジです。数かずの有名な大学があつまり、アメリカでいちばん古いハーバード大学も、ここにあります。構内は公園のように緑がおおく、野リスがたわむれるすがたもみられます。

ボストンの南東約60キロメートルにある港町プリマスは、イギリスを追われた清教徒たちが、自由を求めて移住したところです。港には、清教徒を乗せ、62日間の苦しい航海にたえた、2本マストの小さな帆船、メーフラワー号が復元されています。
フィラデルフィアに、自由の鐘が高らかに鳴りわたったのは、1776年7月のことです。合衆国誕生のよろこびを告げた自由の鐘は、それいらい、ことあるごとに鳴らされました。しかしいまでは大きなひびが入ってしまい、独立記念堂にたいせつに保存されています。

フィラデルフィアの近郊に、自由の鐘が鳴りひびいたころから、ぴったりと歴史が停止したような町があります。アーミッシュとよばれるキリスト教の一派で、強い宗教的信念をもった新教徒たちが住んでいます。
この人たちは、近代的な生活をこばんで、自給自足をたてまえとし、兵役も拒否して、自動車のかわりに馬車を、電灯のかわりにランプをつかい、植民地時代の服装で、18世紀そのままの生活をしています。
