レディバードブックス100点セット
 

大きなホットケーキ

 

大きなホットケーキ

大きなホットケーキ

昔むかし、7人の小さい息子たち──7人の、お腹をすかせた、小さい息子たちを持つ1人のお母さんがおりました。

 ある日、そのお母さんは、彼女の7人のお腹をすかせた小さな息子たちのために、とても大きなパンケーキを作り始めました。

 彼女は、小麦粉と盤と卵とバターを取って、パンケーキのたねをまぜました。
それから、彼女は一番大きなフライパンにバターを少し溶かしました。

 それからお母さんは、そのたねをその大きなフライパンに流しこみました。
それ(そのフライパン)はいつも、7人のお腹をすかせた小さい息子たちを養うために、とても大きなパンケーキ──巨大なパンケーキを作ったものでした。

 7人の小さな息子たちは、バンケーキが料理されるのを見守っていました。
「僕たちお腹がすいたよ」 と、彼らはいいました。「パンケーキは、もうできたの」

 彼らのお母さんは.バンケーキの片側を持ち上げ、下側を見ました。
「ちょうど、こがね色に変ってきたところよ」 と、彼女はいいました。

 「もう食べられるかな」 と、7人の小さい息子たちはたずねました。

 「いいえ、まだよ」 と、彼らのお母さんはいいました。「私はまだ、それ(パンケーキ)を投げなきゃならないの。それをひっくり返すために、空中に投げあげなきやならないのよ、裏がわも、こがね色に焼くためにね。そのときにはできあがるわ」

 「こりや大変だ」 と、パンケーキは考えました。「僕は、僕の反対側がこがね色になるまで待ってちゃいけないんだ、でないと7人のお腹をすかせた小さい息子たちに、平らげられてしまう。そしたら僕はもうおしまいだ」

 「逃げだそう」 と、パンケーキは考えました。「そうさ、僕は、7人のお腹をすかせた小さい息子たちからいますぐ逃げだそう」

 おかあさんは、フライパンを両手に持って、パンケーキを空中高く投げました。
それから彼女は、空中で裏がえしになった、パンケーキを受けとめようと、フライパンを差し出しました。

 「だめだめ、あなたにはつかまらないよ」 と、パンケーキは心の中で考えました。
それ(パンケーキ)は空中で回転し、フライパンをはずれ、床の上におりました。

 それから、片方はこがぬ色で、もう一方はうすい色のまま、それ(パンケーキ)は、ふちを立てて、まるでとても大きな1ペニー硬貨のように、ころがりでました。

 パンケーキは、ドアから出て、道を下ってころがっていきました。
「止まれ!」 と、お母さんは、手にフライパンを持ったまま叫びました。
「止まれ!」 と、彼女は、パンケーキを追いかけながら叫びました。
ますます速く、パンケーキは道を下ってころがっていきました。

 7人のお腹をすかせた小さい息子たちは、彼らのお母さんのあとを追って駆けおりました。
「止まれ!」 と、彼らは叫びました。「僕たちはおまえを食べたいんだよ!」

 「つかまるもんか!」 と、パンケーキはますます速くころがり続けながらいいました。「僕は、7人のお腹をすかせた小さい息子たちに食べられたくなんかないよ」

 すぐにパンケーキは、1人の男の人のそばを通りすぎました。
「止まれ!」 と、その男の人は叫びました。「おまえはうまそうなパンケーキにみえるな。おまえを俺に喰わせてくれよ」

 「だめだよ!」 と、パンケーキはいいました。「僕は、食べられたくなんかないよ。あるお母さんも僕をつかまえられなかったよ。7人の小さな息子たちも僕をつかまえられなかったんだ。だから、君なんかに僕をつかまえさせやしないさ!」

 それから、パンケーキはますます速くころがり続けました。
その男の人は、7人のお腹をすかせた息子たちと、そのお母さんの後を追って仲間に加わりました。そして、彼らみんなは大きなパンケーキを追いかけました。

 すぐに、パンケーキは1匹の猫のそばを通りすぎました。
「止まれ! 」と、その猫は叫びました。「きみは、おいしそうなパンケーキにみえるね。きみをわたしに食べさせてよ」

 「だめだよ!」 と、パンケーキはいいました。「僕は、食べられたくなんかないよ。あるお母さんも僕をつかまえられなかった。7人の小さい息子たちも僕をつかまえられなかった。男の人も僕をつかまえられなかったんだ。だから、きみなんかに僕をつかまえさせやしないさ!」

 それからパンケーキは、ますます速くころがり続けました。
その猫は、男の人と、7人のお腹をすかせた小さい息子たちと、そのお母さんの後を追って仲間に加わりました。そして、彼らみんなは大きなパンケーキを追いかけました。

 すぐにパンケーキは、1羽のおんどりのそばを通り過ぎました。
「止まれ!」 と、そのおんどりは叫びました。「おまえは、うまそうなパンケーキにみえるな。おまえを、俺に喰わせてくれよ」

 「だめだよ!」 と、パンケーキはいいました。「僕は、食べられたくなんかないよ。あるお母さんも僕をつかまえられなかった。7人の小さい息子たちも僕をつかまえられなかった。男の人も僕をつかまえられなかった。猫も僕をつかまえられなかったんだ。だから、きみなんかに僕をつかまえさせやしないさ!」

 それから、パンケーキはますます速くころがり続けました。

 そのおんどりは、猫と、男の人と、7人のお腹をすかせた小さな息子たちと、そのお母さんの後を追って仲間に加わりました。そして、彼らみんなは、大きなパンケーキを追いかけました。

 すぐにパンケーキは、1羽のめすがものそばを通りすぎました。
「お止まり!」 と、そのめすがもは叫びました。「おまえさんは、おいしそうなパンケーキにみえるじゃないか。おまえさんをわたしに食べさせておくれ」

 「だめだよ!」 と、パンケーキはいいました。「僕は、食べられたくなんかないよ。あるお母さんも僕をつかまえられなかった。7人の小さい息子たちも僕をつかまえられなかった。男の人もぼくをつかまえられなかった。猫も僕をつかまえられなかった。おんどりも僕をつかまえられなかったんだ。だから、きみなんかに僕をつかまえさせやしないさ!」

 それからパンケーキは、ますます速くころがり続けました。
そのめすがもは、おんどりと、猫と、男の人と、7人のお腹をすかせた小さな息子たちと、そのお母さんの後を追って仲間に加わりました。そして、彼らみんなは、大きなパンケーキを追いかけました。

 すぐにパンケーキは、1頭のめうしのそばを通り過ぎました。
「お止まり!」 と、そのめうしは叫びました。「おまえさんは、おいしそうなパンケーキにみえるじゃないか。おまえさんをわたしに食べさせておくれ」
「だめだよ!」と、パンケーキはいいました。「僕は、食べられたくなんかないよ。あるお母さんも僕をつかまえられなかった。7人の小さい息子たちも僕をつかまえられなかった。男の人も僕をつかまえられなかった。猫も僕をつかまえられなかった。おんどりも僕をつかまえられなかった。めすがもも僕をつかまえられなかったんだ。だから、きみなんかに僕をつかまえさせやしないさ!」

 それから、パンケーキはますます速くころがり続けました。
そのめうしは、めすがもと、おんどりと、猫と、男の人と、7人の小さい息子たちと、そのお母さんの後を追って仲間に加わりました。そして.彼らみんなは、大きなパンケーキを追いかけました。

 すぐにパンケーキは、1匹の豚のそばを通りすぎました。
「そんなに急いで、どこへいくんだい」 と、その豚はたずねました。

 「僕は、あるお母さんと、7人のお腹をすかせた小さし、息子たちと、男の人と、猫と、おんどりと、めすがもと、めうしから逃げているところなんだ」 と、大きなパンケーキはいいました。「彼らみんなは僕を食べたがっているけど、僕は平らげられたくなんかない」

 「あんたが平らげられたくないのはもっともだ!」 と、その豚はパンケーキのそばをならんで走りながらいいました。「わたしは、そんなことはいままで聞いたことがない」

 すぐにパンケーキとその豚は、とある川へ来ました。
「さて、僕はどうしたらいいんだろう」 と、パンケーキは豚にたずねました。「僕は泳げないんだ!」

 「でも、わたしは泳げるよ!」 と、豚はいいました。「わたしの鼻の上にお乗りよ。わたしがこの川を渡らせてあげよう」
そこでパンケーキは、豚の鼻の上にころがっていきました。

 そのとき、豚は彼の口をあけ、そして、そのパンケーキをがつがつと食べてしまいました。
そして、それはほんとにおいしいパンケーキだったんですよ!

 それが、そのパンケーキの最後でした。
ですから、お母さんも、7人のお腹をすかせた小さい息子たちも、男の人も、猫も、おんどりも、めすがもも、めうしも、その大きなパンケーキをとうとうつかまえることができませんでした。


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