レディバードブックス100点セット
 

ずるい狐とめんどり

 

ずるい狐とめんどり

ずるい狐とめんどり

昔むかし、1羽の小さな赤いめんどりがおりました。彼女は、森の中の小さな家に、たったひとりぼっちで住んでいました。

その小さな赤いめんどりの近くに、1匹のずるい子ぎつねが住んでいました。彼はひとりで住んでいたのではありません。彼は、ある巣穴にお母さんといっしょに住んでいました。

 そのずるい子ぎつねは、小さな赤いめんどりを自分の夕食のごちそうに食べたいと思っていました。
彼は、彼女をつかまえるためのあらゆる種類の計画をたてました。彼は、何度も何度も彼女をつかまえようと努力しました。

 けれども、彼女は利口な小さなめんどりでした。ずるいきつねの計画のどのひとつもうまくいきませんでした。彼は、小さな赤いめんどりをつかまえようと努力していたために、すっかりやせてしまいました。

 ある日、ずるい子ぎつねは、彼のおかあさんにいいました 「きょうこそ僕は、小さな赤いめんどりをつかまえるよ。僕は何よりもすばらしい計画を立てたんだ」
彼は、袋をひとつ拾いあげて、自分の背中にひっかけました。

 「僕は、小さな赤いめんどりを、この袋の中にぜったい入れてくるからね」 と、彼はでかけるときに、お母さんにいいました。
「お鍋いっぱいの水を火にかけて、沸かしといてね」 と、彼は続けました。
「ぼくらの夕食のごちそうに、小さな赤いめんどりをぜったい食べるんだからね」

 それから、ずるい子ぎつねは、小さい赤いめんどりの家まで、忍び足で歩いていきました。彼は、その家のそばに身を隠して、待っていました。

 すぐに、小さな赤いめんどりは、彼女の小さな家から出てきました。彼女は、ずるい子ぎつねに気がつきませんでした。
彼女は、火をたくための小枝を拾い上げ始めました。

 小さな赤いめんどりは、家のドアをあけっぱなしにしてしまったのでした。
彼女が、うしろをむいたとき、ずるい子ぎつねは家の中へ忍びこみました。

 ずるいきつねは、ドアの陰に隠れました。
小さな赤いめんどりは、家にたきぎを運び入れました。彼女は、ドアをしめました。そのとき、彼女はずるい子ぎつねに気がつきました。

 かわいそうな小さな赤いめんどりは、びっくりぎょうてんしました。彼女は、たきぎを落としました。それから、きつねが動くまもなく、彼女は高いはりに飛びあがりました。

 高いはりの上で、小さな赤いめんどりは、安全だと思いました。彼女は、ずるい子ぎつねが、そこにあがってくることができないということを知っていました。

「はっはっは! あなたは、わたしをつかまえることができないわ、きつねさん」 と、彼女はいいました。「おうちに帰ったほうがよくってよ」

 「へぇ、そうかね! 僕がおまえをつかまえることができないだって!」 と、ずるい子ぎつねはいいました。「どうしてだか(そのことについては)すぐにわかるさ」
それから、ずるい子ぎつねは、自分のしっぽを追いかけ始めました。

 小さな赤いめんどりは、はりの上から見おろし、彼をじっと見ていました。
ずるい子ぎつねは、ぐるぐる、ぜんぜん止まらずにぐるぐる回りました。

 すぐに、小さな赤いめんどりの頭は、ぐるぐる、ぐるぐる回り始めました。
彼女は、とても目がまわってしまったので、高いはりから、おっこちてしまいました。

 「はっはっは!」 と、ずるい子ぎつねは、小さな赤いめんどりを、彼の袋にほうり込みながらいいました。「僕がおまえをつかまえることができないだなんて、誰がいったんだっけ?」

 ずるい子ぎつねは、彼の袋を背中にひっかけて、巣穴にむかって出発しました。
途中で、きつねは一休みするために、腰をおろしました。暑い日だったので、すぐに彼は寝入ってしまいました。

 きつねが眠っているとき、小さな赤いめんどりは、その袋からひょいと頭を出しました。それから彼女は、静かに忍び出ました。

 小さな赤いめんどりは、それから、いくつかの大きな石を拾いあげました。彼女は、その石をその袋に入れました。それから、彼女は家へ走って帰りました。

 ずるい子ぎつねが目を覚ましたとき、彼は何が起っていたのか知りませんでした。
彼は、彼の袋を拾いあげて、巣穴にむかって出発しました。「おやおや!」 と、彼はひとりごとをいいました 「この袋は、まえより重くなってきているぞ」

 ずるい子ぎつねは、巣穴へ着いたとき、彼のおかあさんに叫びました、「僕はついに、小さな赤いめんどりをつかまえたよ! お湯は沸いてる?」
「沸いてるよ、おまえ(息子よ)」 彼のお母さんが言いました。

 それから、ずるい子ぎつねは、煮立っているお湯のお鍋の上で、その袋をあげました。
いくつかの大きな石が、とても大きなしぶきをあげて、お湯の中に落ちました。

 煮立っているお湯は、ずるい子ぎつねとお母さんに、くまなくはねかえりました。
彼ら2人は、あっという間に、死んでしまいました。

 それから、小さな赤いめんどりは、森にある彼女の家で、その後いつまでもしあわせに暮しました。


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