レディバードブックス100点セット
 

みにくいあひるの子

 

小人と靴屋

みにくいあひるの子

昔、靴屋とその妻が住んでいました。
男は腕のよい靴屋で、一生懸命働きましたが、彼と妻はたいへん貧乏でした。
時がたつにつれて、彼はますます貧乏になりました。

とうとう、靴屋に残ったのは1枚の革だけという日がやってきました。
それでは1足の靴しかできないでしょう。
その夜寝る前に、靴屋は革から1足の靴を裁ちました。それから彼は、翌朝縫えるようにすっかり準備して、それを仕事台の上に置きました。

 その夜、2階にあがりながら、靴屋は妻に悲しげに話しかけました。
「私は最後の革を使ってしまった」 と、彼は言いました。「私は1足の靴を裁った。明日私はそれを縫うつもりだ。それが売れてしまうと、私たちはどうなるかわからないのだ」

 つぎの日の朝、靴屋は早く起き、靴を作る用意をして彼の仕事場にはいっていきました。
仕事台の上には、彼が裁っておいた靴の代りに、彼はできあがった1足の靴をみつけたのです。
彼はびっくりし、どう考えたらいいのかわかりませんでした。

 靴屋はその靴をとって、注意深くそれらを見つめました。靴はよくできていて、まずい縫い目はひとつもありませんでした。
彼はその靴を妻に見せると、彼女は言いました。「こんなに上手にできている靴は見たこともありません。それは完璧きです」
靴屋と妻は、誰がその靴を縫ったのか考えつきませんでした。

 同じ日の朝、1人の婦人が靴を買いに店にはいってきました。
靴屋は、彼が仕事台の上に見つけた靴を彼女に示しました。彼女は言いました 「私は、こんなに上手にできた靴を見たことがありません」
婦人がその靴をはいてみると、靴は彼女にぴったり合いました。彼女は靴がたいへん気に入って、靴屋に普通の2倍のお金を払いました。

 そのお金で、靴屋は2足分の革を買うことができました。
その夜寝る前に、彼は2足分の靴を裁ちました。朝縫えるようにすっかり準備して、彼はそれらを仕事台の上に置きました。

 つぎの日の朝、靴屋は早く起きて靴を作ろうと、店の中にはいっていきました。しかし、彼は靴を作る必要はありませんでした。仕事台の上に、彼はできあがっている2足の靴をみつけたのです。
彼は靴を手にとって、注意深くみつめました。こんども、まずい縫目はひとつもなく、きちんとできていました。

 その朝、1人の男の人が靴を買いに店にはいってきました。
靴屋は、仕事台の上にみつけた2足の靴を彼に見せました。男は言いました 「私は、今までにこんなによくできた靴を見たことがありません」
彼は靴がたいへん気に入って、2足とも買いました。彼は普通の値段の2倍のお金を払いました。

 そのお金で、靴屋は4足分の靴の革を買うことができました。
その夜寝る前に、彼は4足分の靴を裁ちました。朝縫えるようにすっかり準備して、彼はそれを仕事台の上に置きました。

 つぎの日の朝、靴屋は早く起きて靴を作ろうと、店の中にはいっていきました。しかし、彼は靴を作る必要はありませんでした。仕事台の上に、彼はできあがっている4足の靴をみつけたのです。
彼は靴を手にとって、注意深くみつめました。こんども、まずい縫目はひとつもなく、きちんとできあがっていました。

 そんなことが続きました。毎晩、靴屋は何足かの靴を裁って、それを仕事台の上に置いておきました。
毎朝、彼はきちんとできあがっている靴をみつけました。
多くの金持のお客さんが、これらの完璧きな靴を買うために、彼の店にやってきました。そして、やがて、靴屋と妻は金持になりました。

 しかし、靴屋と妻は、誰が彼らのために完璧な靴を作ってくれたのか考えつきませんでした。
ある晩、クリスマスもまもないころ、靴屋は靴を裁ってしまうと、妻のところへ行きました。
「私たちは、誰が私たちのために靴を縫ってくれるのかまだ知らない」 と、彼は言いました。「今夜は起きていて、私たちを助けてくれるのは誰なのかたしかめよう」

 彼の妻は、それはたいへんよい考えだと思いました。そこで彼女はろうそくに灯をともし、2人は仕事場へはいっていきました。
彼らはその部屋のすみに行き、そこにかかっている服のうしろに身をかくしました。
それから、靴屋と妻は静かに待ち、何が起るのかをたしかめようと見張りました。

 長い間、何も起りませんでした。それから、時計が12時を打つと同時に、仕事場のドアが静かに開きました。
2人のこびとがはいってきました。彼らは古ぼけた服を着ており、はだしでした。
彼らは、彼らを見張ってすみにかくれている靴屋と妻には気づきませんでした。

 こびとたちは仕事台の上にとびのり、裁たれている靴をとりあげました。
彼らは針をとり、縫ったり、金づちでたたいたりしはじめました。彼らはたいへんきちんと、またすばやく動いたので、靴屋は自分の目をほとんど信じることができませんでした。
こびとたちは、すべての裁ってある靴を縫ってしまうまで、少しも休みませんでした。それから、彼らはすはやくかけ去りました。

 つぎの日の朝、食事のときに靴屋は妻にたずねました。「私たちは、私たちをこんなに金持に、また幸せにしてくれた、かわいいこびとたちにどうお礼をしたらよいだろうね」
「私たちに何ができるか、私にはわかりますよ」 と、妻は言いました。
「私たちは、彼らに新しい服と靴を作ってやれますよ。彼らの服はボロボロだし、足ははだしですもの」

 つぎの日からいく晩かの間、靴屋と妻は、こびとたちのために新しい服を作りはじめました。
靴屋はできるかぎり柔らかい革を選びました。彼はあなた方が見たこともないほどちっぽけな靴を2足裁ちました。それから彼はできるだけ注意深くその靴を縫いました。

 靴屋の妻は2枚の白いシャツと、それによく合う2枚の小さな緑色の上着と2着のズボンを裁ちました。彼女はそれを細かく繕いました。
彼女は2つの小さな帽子を作り、それに羽根をつけました。
彼女はまたちっちゃな白い靴下を2足編みました。

 クリスマスイブまでに、小さな服と靴は作り終りました。
靴屋は仕事台から革と道具を片付けました。彼と妻はいつもの仕事の代りに、彼らへの贈物を仕事台の上に置きました。
それから、前にしたのと同じように身をかくして、こびとたちがどうするか見ようと待ち受けました。

 時計が12時を打つと同時に、ドアが前と同じように静かに開きました。
2人のこびとが走りこんできました。彼らはまだ古ぼけた服を着、足は寒さで青くなっていました。
彼らはすぐに仕事にとりかかろうと仕事台の上にとび乗りました。しかし、仕事台の上には革はなく、小さな服があるだけでした。

 こびとたちは、はじめはびっくりして、それから喜びました。すぐに彼らは古ぼけた服を脱ぎました。
それから、話したり笑ったりしながら、彼らは美しくて新しい服を身につけました──緑色の上着とスボン、白いシャツと靴下、柔らかな革の靴、彼らが笑うにつれてゆれる羽根のついた帽子を。

 大喜びで、かわいいこびとたちは、椅子や仕事台の上をとんだりはねたりしました。
それから、彼らは手をとりあいぐるりと踊り、歌いました。
「今やぼくたちはとても立派に見える少年だ
 もう靴直しでいる必要はなくなったぞ」
ついに、彼らはしあわせそうに踊りながら外へ出ていきました。

 靴屋と妻は、二度とかわいいこびとたちに会うことはありませんでした。
しかし、その後は幸運がいつも彼らについてまわりました。
彼らは死ぬまで裕福でしあわせでした。


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