レディバードブックス100点セット
 

 

お菓子の坊や

むかし、小さな老婦人と小さな老人が住んでいました。彼らは2人だけで小さな古い家に住んでいました。
彼らには男の子も女の子もいませんでした。

ある日、小さな老婦人が小さな老人に言いました 「私はしょうがのケーキから小さな少年を作ります」
「私は2つの丸まるとした干しぶどうから彼の目を作ります。レモンの皮から鼻と口を作ります。また、お砂糖で彼の上着を作ります」

 そこで、老婦人はしょうがケーキをこねました。彼女は小さな少年の頭と体と腕と足を切り抜きました。彼女はそれをパン焼き皿の上で軽くたたいて平らにしました。

 それから小さな老婦人は、彼の目として2つの丸まるとした干しぶどうを置きました。彼女は鼻と口としてレモンの皮を置きました。
彼女は砂糖で上着を作りました。

 小さな老婦人は、焼くためにしょうがケーキの少年をオーブンに入れました。
「おお!」 と彼女は叫びました。「今や、私は私だけの小さなしょうがケーキの少年を持つことになるのです」
それから、彼女はせっせと自分の仕事をしました。

 やがて、小さなしょうがケーキの少年が焼きあがる時間となりました。
小さな老婦人がオーブンのところへ行くと、彼女は小さなかわいい声を聞きました。それは言いました 「私を出して! 私を出して!」

 それで、小さな老婦人はかけていってオーブンの戸を開けました。彼女が開けると、小さなしょうがケーキの少年がとび出してきました。

 小さなしょうがケーキの少年は、台所の床をとんだりはねたりして、通りぬけていきました。
彼は台所のドアが開いたままなのを見ると、外へかけだしました。

 小さなしょうがケーキの少年は通りを走っていきました。彼を追いかけて、小さな老婦人と小さな老人がいきました。
「止まりなさい! 止まりなさい! 小さなしょうがケーキの少年!」 と、彼らは叫びました。

 でも、小さなしょうがケーキの少年は、ただうしろを振り返っただけで叫びました,
 「できるかぎり遠く走ったって
  ぼくをつかまえることはできないよ
  ぼくはしょうがケーキの大人だもの!」
 そして、彼らは彼をつかまえることができませんでした。

 小さなしょうがケーキの少年は走り続けました。やがて、彼はめうしに会いました。
「止まれ! 止まれ! 小さな少年!」 と、めうしは言いました。「おまえはとてもおいしそうだ」
でも、小さなしょうがケーキの少年はさらに速く走るだけでした。

 「ぼくは、小さな老婦人や小さな老人から逃げてきたところなんだ」 と、小さなしょうがケーキの少年は叫びました。「ぼくはあなたからも逃げられるよ、逃げられるとも」
「できるかぎり遠く走ったって
  ぼくをつかまえることはできないよ
  ぼくはしょうがケーキの大人だもの!」
 そして、めうしは彼をつかまえることができませんでした。

 小さなしょうがケーキの少年は走り続けました。やがて、彼は馬に会いました。
「止まれ! 止まれ!」 と、馬は言いました。「おまえはたいへんおいしそうだ」
でも、小さなしょうがケーキの少年はさらに速く走るだけでした。

 「ぼくは、小さな老婦人や小さな老人やめうしから逃げてきたところなんだ」 と、小さなしょうがケーキの少年は叫びました。「ぼくはあなたからも逃げられるよ、逃げられるとも」
 「できるかぎり速く走ったって
 ぼくをつかまえることはできないよ
  ぼくはしょうがケーキの大人だもの!」
 そして、馬は彼をつかまえることができませんでした。

 小さなしょうがケーキの少年は走り続けました。彼は自分の走り方を自慢したい気分になりはじめました。「誰もぼくをつかまえることはできないぞ」 と、彼は言いました。
ちょうどそのとき、彼はずる賢い年とったきつねに会いました。
「止まれ! 止まれ! 小さな子ども!」 と、きつねは言いました。「わしはおまえと話がしたい」

 「おお! あなたはぼくをつかまえられないよ」 と、小さなしょうがケーキの少年は言い、さらに速く走りはじめました。
きつねは、小さなしょうがケーキの少年を追いかけはじめました。小さなしょうがケーキの少年は、また一段と速く走りはじめました。

 走りながら、小さなしょうがケーキの少年はうしろを振り返って叫びました 「ぼくは、小さな老婦人や小さな老人やめうしや馬から逃げてきたところなんだ。ぼくはあなたからも逃げられるよ、逃げられるとも」
「できるかぎり速く走ったって
  ぼくをつかまえることはできないよ
  ぼくはしょうがケーキの大人だもの!」

 「わしはきみをつかまえたいとは思っていないのだ」 と、年とったずる賢いきつねは言いました。「わしはきみと話がしたいだけなのだ」
でも、小さなしょうがケーキの少年は走り続けました。そして、きつねも走り続けました。

 やがて、小さなしょうがケーキの少年は川に着きました。彼は川の土手のところで止まりました、そしてきつねは追いつきました。
「あ一あ、ぼくはどうしたらよいのだろう」 と、小さなしょうがケーキの少年は言いました。「ぼくは川を渡れないや」

 「わしのしっぽの上にとびのりなさい」 と、きつねが言いました 「わしが川を渡らせてあげよう」
そこで、小さなしょうがケーキの少年は、きつねのしっぽにとび乗りました。
きつねは泳いで川を渡りはじめました。

 やがてきつねは振り向いて言いました 「小さなしょうがケーキの少年、きみはわしのしっぽには重すぎるよ。きみはぬれてしまうだろう。わしの背中にとびのりなさい」
そこで、小さなしょうがケーキの少年はきつねの背中にとびのりました。

 ずる賢い年とったきつねは、少し岸を離れて泳ぎ進みました。
それから、彼はまた振り向いて言いました 「小さなしょうがケーキの少年、きみは私の背中には重すぎるよ。きみはぬれてしまうだろう。わしの鼻の上にとびのりなさい」
そこで、小さなしょうがケーキの少年はきつねの鼻の上にとびのりました。

 やがて、きつねは川の向う側に着きました。彼の足が川の土手にとどくやいなや、彼はしようがケーキの少年を空中に投げ上げました。
きつねは口を開けて、ぱくっと歯を閉じました。

 「おや、まあ!」 と、小さなしょうがケーキの少年は言いました 「ぼくは4分の1なくなってしまった!」
それから彼は叫びました 「ぼくは半分なくなっちゃった!」 さらに彼は叫びました 「ぼくは4分の3なくなっちゃった!」
そしてそれから後は、小さなしょうがケーキの少年は何も言いませんでした。


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