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ほしのこ 1/6

 ある、さむい ふゆの よるのことでした。

 ゆきと こおりで、まっしろになった もりの なかを、ひとりの きこりが あるいていました。

 じめんは かちかちに こおりつき、つめたい かぜが、ひゅうひゅう おとを たてて ふきつけます。

 そらには、かぞえきれないほどの ほしが かがやき、まるで うつくしい ほうせきを ちりばめたように みえました。

 「なんて さむいんだ!」

 きこりは たちどまって、うらめしそうに そらを みあげました。

 そのとき、すうーっと ひかりのおを ひきながら、ほしが 一つ、もりの はずれに おちたのです。


 「ほしが おちたぞ!」

 きこりは、むちゅうで はしりました。

 〈きんかかな? それとも ほうせきかな?

 いや、そんなことは どうでもいい!

 とにかく、うんが むいてきたのは まちがいない。〉

 
 やがて きこりは、まっしろな ゆきのうえで、きらきらと かがやく ほしを みつけました。

 「あったぞ!」

 きこりは うれしそうに さけんで、ちかよりました。

 ところが、

 きこりは、がっくりと うなだれてしまったのです。


 きこりが みたのは ほしではなく、おとこの あかちゃんだったのです。

 ほしの かざりの ついた うわぎに くるまって、すやすや ねむっていました。

 「ああ、なんてことだ……。」

 きこりは、あたまを かかえこみました。

 むりも ありません。

 きこりは びんぼうで、じぶんの こどもたちを そだてるのさえ、らくでは なかったのですから。

 きこりは、じっと あかんぼうを みつめていましたが、やがて あきらめたように つぶやきました。

 「しかたがない……わしの たべものを へらしてでも、このこを そだてよう。

 このままでは、しんでしまうだろうからな。

 このこは、ほしが さずけた ほしのこなんだ。」


 それから、なんねんかが すぎました。

 ほしのこは、うつくしい こどもに なりました。

 けれども、その うつくしさを じまんして、むらの がきだいしょうになり、わるいことばかりするのです。

 とりや、むしや、けものを いじめることなど、へいきなのです。

 きこりは、なんども ほしのこを しかりましたが、すこしも いうことを ききません。


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