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ジャックとまめのき 1/6

 むかし あるところに、ジャックという しょうねんと おかあさんが すんでいました。

 おやこは、とても びんぼうでした。

 ふたりの ざいさんといえば、ミルクを たっぷり だしてくれる 一とうの めうしだけでした。ところが どうしたわけか このごろ、この めうしが ちちを ださなくなってしまったのです。

 そんな あるひのこと、おかあさんが かなしそうに ジャックに いいました。

 「うちには もう、たべるものも なくなってしまったのよ。

 だいじな うしだけど、いちばで たかく うってきてちょうだい。

 その おかねで、パンを かいましょう。」


 ジャックは、めうしを つれて うちを でました。

 「どこへ いくんだい、ぼうや!」

 しばらく いくと、みしらぬ おとこのひとが こえをかけてきました。

 「うしを うりに、いちばに いくのさ。」

 ジャックが こたえると、おとこのひとは ポケットから いろとりどりの まめを とりだして いいました。

 「どうだい、その うしと この まめと とりかえないかい?」

 「いやだよ、そんな まめなんか!」

 「これは ただの まめじゃないぞ。ひとばんで てんまでとどく まほうの まめなんだ。」

 ジャックは、まほうの まめだと きいて、きゅうに ほしくなりました。そして とうとう、うしと とりかえてしまったのです。


 「おや ジャック、ずいぶん はやかったのね。うしは たかく うれたかい?」

 おかあさんは、ジャックの かえりが あんまり はやいので、びっくりして ききました。

 「おかあさん! この きれいな まめを みてよ。まほうの まめなんだよ。

 うしと とりかえて きたんだ。」

 「なんだって、うしと とりかえた?

 おまえは なんて ばかなことをしたの!

 うちには たべるものも ないんだよ。」

 おかあさんは かんかんに おこって、まめを まどから なげすててしまいました。

 ジャックは、おかあさんに こんなに おこられたのは はじめてでした。

 かなしくなって、なきながら ねむってしまいました。


 つぎのひの あさのこと。

 ジャックが めを さますと、いつもとちがって、へやのなかが うすぐらいのです。

 ふしぎに おもった ジャックは、いそいで まどを あけてみました。すると、にわに おおきな きが たっているのです。

 ジャックは、おもてに とびだしました。

 「おかあさん、たいへんだ!

 ちょっと きてよ!」

 ジャックの こえに、おかあさんも にわにでてきましたが、めの まえの おおきなきをみて、びっくりしました。

 「これは まめのきだよ、おかあさん!」

 ジャックは もう おおはしゃぎです。

 「ぼく、どこまで のびてるか のぼってみてくるからね。」


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