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アインシュタイン 1/5

磁石に目を輝かせた少年

 アルバート・アインシュタインが、ドイツ南部の都市ミュンヘンに住んでいた5歳のときのことです。工場をいとなんでいた父から、ふしぎなものをもらいました。

 東西南北をしるした文字盤の上に、1本の針がついています。文字盤をどんなに回しても、針の向きは変わりません。いつも北をさしています。初めて見た磁石に、アインシュタインは、すっかりおどろいてしまいました。父に「針が北を向くのは地球に磁力というものがあるからだよ」と教えられれば、ますますふしぎです。戸をしめきっていても部屋の中まで入ってくる磁力とは、どんなものだろう。目に見えないものが針を引っぱるというのは、いったい、どういうことなのだろう。アインシュタインは、なんども首をかしげて考えました。

 相対性理論をとなえ、のちに20世紀最大の物理学者とたたえられるようになったアインシュタインは、磁石を手にしたこのころから、自然や科学の世界に心をひかれるようになりました。

 アインシュタインは、6歳で小学校へ入りました。しかし、先生の教えることをおぼえさせられたり、先生の命令にはぜったいに従わなければならなかったりする学校が、どうしてもすきになれませんでした。町で兵隊の行進を見たとき、みんなは「勇ましい」というのに「ぼくは兵隊はきらいだ。だって、兵隊って機械のように歩かされていてかわいそうだよ」と、つぶやいたアインシュタインには、学校も軍隊も同じものに見えてしかたがなかったのです。

 アインシュタインは幼年時代に、みんなに「のろまさん」と、よばれていたことがありました。まちがったことをいうまいとして、ゆっくり考えてから口をひらくくせがあったからです。このくせはいつまでもつづき、そのためか、小学校を卒業するときの「のろまさん」の成績は、あまりよくありませんでした。


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